2015年7月9日木曜日

韓国の政治が面白くなってる

韓国の政局が面白い。
与党セヌリ党の院内代表(与党内の議会側のトップで、与党議員が選出する)が青瓦台との力比べで負けて辞任したのだが、辞任の記者会見で「法と原則と正義 を守りたかった」、「大韓民国は民主共和国だ」と述べた。つまり、朴槿恵政権は「法と原則と正義に反している」、「独裁だ」と言ってのけたわけである。



ことのはじまりは、議会が通過させた法案に拒否権を行使した大統領が、院内代表を「背信者」という強い言葉で非難し、党の分裂の危機感をあおったことだった。
三権分立のメカニズムの中で、議会は政府とは異なる独自の機能を持つ。大統領が議会の与党側の代表者を感情的な言葉を使って非難し、事実上、辞任の圧力をかけて議会側が大統領の意を受けて院内代表辞任を決め、結局院内代表は自主的に辞任することになったという経緯だ。
詳しくは、ハンギョレ日本語版の追い出された与党の院内代表「大韓民国は民主共和国」[ニュース分析]韓国与党に“朴槿恵色”さらに強まる...民心離反のブーメランになる可能性も[記者手帳]「選挙の女王」神話の結末はといった記事などを参考にしてほしい。

とにかく、そんなわけで大統領の強大な権力にひるむことなく「国民が選んだ議会」の側から堂々と正論をぶちかましたセヌリ党の院内代表の演説は、野党側か らも賞賛の声が上がっている。普段はセヌリ党に冷たいリベラル側の評論家たちの中にも「保守議会人の真骨頂だ」みたいな反応がある。
もちろん、来年の総選挙を睨んで党内の主流・非主流の対立という背景があるにはあるのだが、それでも単なる数合わせの論理ではなく、政治家としての信念に 基づく発言だという点に意味がある。形の上では朴大統領が押し切った形で、政権の求心力を一旦は確保したものの、2年後の大統領選挙に向けて、青瓦台の圧 力に屈した与党主流派に対し、非主流派の存在感が急浮上したとも言える。…もっとも、来年の総選挙で非主流派が苦戦する可能性も高まったわけだけど。

こうした韓国の政局を眺めながら、「独裁」を押し通す日本の政権と、内心ではそれをおかしいと思いながらもぐうの音も出せない日本の与党のだらしなさに慨嘆を禁じ得ない。

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