2014年10月27日月曜日

「黒と黄」香港雨傘革命について

韓国のチャムセサンに韓国語で紹介されていた文章。とても興味深い内容なので、原文を参照しつつ日本語訳してみた。 米国の「ULTRA」というサイトに掲載されていた"Black versus Yellow/Class Antagonism and Hong Kong's Umbrella Movement"というタイトルの文章で、筆者は「米国のある過激派と匿名の友人(an American ultra and some anonymous friends)」になっている。 チャムセサンの記事は、Ultra-com.orgに掲載された文を「リブコム」というサイトのブログに転載されたものをベースに韓国語に翻訳されたものだが、翻訳調の韓国語は読みにくいのでここではULTRAの原文からチャムセサンの韓国語訳を参考にしながら日本語に翻訳した。
ちなみに、日本語への翻訳について、筆者からの了解などは今のところ取っていない海賊翻訳であることを書き添えておく。この翻訳の利用について著作権的な問い合わせをいただいても答えるのは困難なのでご了解を。

なお、チャムセサンの該当記事は以下の3本に分割されて掲載されている。

2014年6月26日木曜日

韓国内の米軍基地村慰安婦

6月25日、韓国CBSラジオの「鄭寛容(チョン・グァニョン)の時事ジョッキー」という番組の中で、韓国内の米軍基地の基地村で性売買に従事していた女性たちが国家を相手に損害賠償請求訴訟をするというので、訴訟をまとめている人とのインタビューを流していた。
韓国の米軍相手の基地村については広く知られている。ただ基地村の運営に韓国政府や米軍が関与していたという話は、これまで一部では伝えられていただけで、あまり知られていなかった。そこに政府に対する訴訟ということになると、ちょっと展開は違ってくるかもしれない。ぼく自身、このあたりの詳しい事情はよく知らないので、提訴に至る経緯だとか、そのへんはよくわからない。しかし韓国政府や米軍までが組織的に「基地村」の運営に関与していた責任が裁判で認められたら、まあ、それだけで十分大きな影響があるだろうけど、最近の日本軍慰安婦に関する議論にも影響してくるかもしれないし、日本の右翼が「韓国だってやってたじゃん」と喜ぶかもしれないし、朴裕河氏をめぐる議論にも関係してくるかもしれない。
ラジオのインタビューは、そうしたいろいろなこともおそらく念頭に入れて行われたのだと思う。

参考までに、CBSのサイトに掲載されていたインタビューの書き起こしを海賊翻訳してみた。以下は翻訳。

2014年6月23日月曜日

鈴木章浩議員のヤジの意味

鈴木章浩都議が「早く結婚したほうがいいんじゃないか」というヤジで世間から袋叩きにされている。白々しく自分ではないと言っておいて、今ごろになって認めて神妙に謝罪をしてみせ、それでも議員は辞めないというのだから、卑怯なやつだと思う。

でも謝罪会見を聞きながら、「何か違う」という印象が拭えない。ウソをついて逃げようとしたこと、辞任もせず居座っていることも問題なんだろうけど、それだけではない。
鈴木章浩都議は、「少子化・晩婚化のなかで早く結婚して頂きたい」と思っていたが「本当に結婚がしたくてもできない人への配慮が足りなかった」から謝罪する? おかしくないか?

2014年5月23日金曜日

タイのクーデターに反対する共同声明

タイのクーデターについて、Facebookに「アジア太平洋地域の左派政党と団体による共同声明 (原文は英語)」という文書が発表されていたので、参考までにざっと翻訳して紹介します。

アジア太平洋地域の左派政党と団体による共同声明
2014年5月23日 21:31

タイにおけるクーデターを非難し、戒厳令の即時廃止を要求する地域の左派政党と団体による共同声明。
この声明に署名していただける団体は、int.psm@gmail.com に電子メールを送ってください。

2014年4月25日金曜日

あえてセウォル号の船長を弁護する

韓国のニュースサイトを見ると、どこもかしこも連日セウォル号事故のニュースで埋まっていて、日本でもずいぶん話題になっているけれど、まあ、だいたい「船長は悪いやつで、救助の体制もなってなかった」という感じだろうか。
特に、乗客を放り出してさっさと逃げ出したセウォル号の船長だとか、操船ミスだったようだとか、船員は非正規職だったとか、つまり船員のレベルが低くて船が転覆して、被害を大きくしたかのように伝えられている。でも、本当にそうなんだろうか。いろいろな情報を集めてみると、乗客の避難誘導での責任は確実にあると思うのだが、それ以外の部分では必ずしも断定的に船員が問題だったとばかりも言えないような気がする。
4/23にCBSラジオが放送した弁護士とのインタビューを聞いていると、船長をはじめとする乗組員はそれなりに努力はしていたように思われる。

2014年4月22日火曜日

元セウォル号航海士とのインタビューについて

韓国のメディアは毎日、朝から晩までセウォル号関連のニュースを伝えているが、4/21のJTBCニュース9で、セウォル号に乗って問題の航路での運行の経験があるベテラン航海士とのインタビューが放送された。これまで指摘されていなかった数々の疑問や、なぜこのような事故が起きたのかについての説得力のある情報が含まれている。
この電話インタビューは、航海士のなまりが強い上に、話し方がまずくてよくわからない部分もある。さすがのソンソッキも話をまとめるのに苦労しているのが面白いけど、それはまた別 の話として、ウェブサイトの文字起こしも不正確(たとえばサイトのコメント欄に「スターポルトチェイン」は「スターボード・テン(面舵10度)」というコメントがついていた)で細かいところはよくわからないのだが、とにかくこれまでの報道では出てこない話で、びっくりした。ぼくが理解した内容としては、ざっと以下の通り。

2014年4月20日日曜日

セウォル号


大惨事になってしまった韓国のセウォル号。救助作業は遅々として進まず、時間だけが無駄に流れ、家族の焦りはつのるばかり。まだ事故の全体像は明らかになっていないが、漠然としたものが見えてくるにつれて、何だか暗澹たる気分が強まる。
この事故の背景には、技術的な問題、安全管理の問題、そして救助システムの問題がある。

2014年4月2日水曜日

F-35という戦闘機

日本ではジェット戦闘機のことなんて、自衛隊関係者か、さもなくば軍事オタクやマニアでもなければ、ほとんど知られていない。ぼくもそうだったのだけど、何年か前に外国人から「武器を知らずに『戦争反対』なんてナンセンス」と言われて、それもそうだと思った。それ以来、少しずつ、戦争のシステムを気にするようになったのだが、最近、特に気になってるのがF-35という開発中の戦闘機だ。

2014年3月14日金曜日

新自由主義に強奪されたフェアトレード

コーヒーは好きだし、フェアトレード・コーヒーやオーガニック・コーヒーなんかにも興味はある。 まあちょっと高いけど、品質はそこそこ悪くない。 ただ、オーガニックは別として、コーヒー屋の店頭に並んでいる品揃えの一種としてのフェアトレード・コーヒーというのは「何か、違う」という気がして仕方がなかった。 かといって、正統フェアトレードの作法に従うのも、正直言って少々疲れる。毎日特定の種類のコーヒーだけを飲み続けるというのもアレだし。 いや、そもそもコーヒーという飲み物そのものが、極めて帝国主義的だったりする。 コーヒーだけじゃなくて、チョコレートも砂糖も、うむ帝国主義って、なかなかおいしいものなんだ…というのはともかく、帝国主義と「公正貿易」というのはいかにも矛盾している。
そんなことを考え始めるとキリがない。フェアトレードだの帝国主義だのの矛盾に無駄に悩まず、普通の不公正貿易コーヒーを愛飲している、というとウソになる、単に安くておいしからいいや、といったストレートな理由で不公正貿易コーヒーを飲んでいるわけだ。
そんなある日、韓国のチャムセサンに掲載されていた「新自由主義に強奪されたフェアトレード」というテキスト(原文韓国語)を見つけたのだけど、これがなかなかおもしろかった。 韓国でも最近、フェアトレードが流行しているそうなんだが、やっぱり韓国の左翼もフェアトレードについては似たようなことを感じているらしく、そのあたりの議論のタネとして(週例討論会の資料だ)、フェアトレードをめぐる話題がまとめられている。
討論会用のテキストということもあって、必ずしもこの内容はフェアトレードにかかわる人たちが同意するようなものではないと思うし、いろいろな論点がスルーされている部分もあるように思う。 フェアトレードについては素人なので、この文章について気の利いたコメントはできないけれど、フェアトレードについて考えるきっかけとしては悪くないと思う。
以下、ざっくり翻訳してみたので、フェアトレードに興味のある方はご一読を。